宝塚歌劇団を象徴する
「すみれの花咲く頃」
を想い出す方は、
何も熱烈宝塚ファンだけではないはずです。
阪急百貨店の開店時にも演奏されるなどして、
聴いたことがある方が多い有名な曲で、
宝塚歌劇団では78年前の1930年(昭和5年)から
歌い継がれているのに団歌ではないのだそうです。
「すみれ」は日本の花のように思えますが、
もともとの原産地は朝鮮〜中国あたりだそうで、
ともすると雑草扱いにもなる小さな花で、
「パンジー」もすみれ科の仲間のようです。
リュウキュウスミレ
「リュウキュウスミレ」は、
本土の「のじ(野路)すみれ」の
南西諸島から南方系の亜種で、
南西諸島に広く分布し、
沖縄で「スミレ」といえば
「リュウキュウコスミレ」を指すほど
あちこちで見かけることが出来ます。
小さな紫色の花は、疲れた心を癒してくれます
日当たりの良い野地、草地、海岸などに自生し、
花期は12月〜3月の冬季で、
花の色は、紫色や赤紫色などいろいろあって、
白いものは
「シロバナリュウキュウスミレ」
といわれています。
冬に咲く「リュウキュウスミレ」は夏に弱いようで、
夏季は一見枯れ果てて消滅したようになるのですが、
多年草なので、冬季には復活して開花します。
また、「リュウキュウスミレ」は、
全草を天日乾燥させて
クマツヅラやリュウキュウハンゲなどの乾燥物と
併せて煎じて飲むと、
・ ジフテリア
・ 咽喉炎
・ 結膜炎
・ 毒蛇咬傷
などに薬効があるそうです。
大宜味村の名店・前田食堂
リュウキュウスミレは、店舗と国道58号線の間の花壇で
咲いていました
名物・牛肉そば600円(器が小さめで女性でも大丈夫)
秋田県から屋久島まで分布する
「のじ(野路)すみれ」
が、
南西諸島から南方系の亜種の
「リュウキュウスミレ」
に入れ替わるのですが、
この花に限らず、奄美諸島だけで見受けられる動植物や、
沖縄諸島だけで見受けられる動植物が少なくありません。
南西諸島というと亜熱帯気候をイメージしますが、
南西諸島は実に1,200kmにも及び、
これは東海道・山陽新幹線の
東京〜博多間1175.9kmに匹敵するほどの距離で、
南西諸島の入口部分、
種子島や屋久島などの大隅諸島から南に、
屋久島と奄美大島の間の約200kmにも及ぶ
小島群のトカラ列島あたりから亜熱帯気候性が色濃くなり、
同時に動植物の生態系が変わることを意味するわけです。
今春移転する国頭村与那から
約5km北上したところにある辺野喜(べのき)川の中流で
20年前の1988年(昭和63年)に
「おりづるすみれ」
という新種が発表されたのですが、
その自生地が辺野喜ダムの底に沈んでしまって
絶滅種になってしまったことがあるように、
人間の生活環境のための犠牲になる動植物も多く、
環境省のレッドデータブックに登場するということは、
まさしくウルトラマンのカラータイマーの
赤点滅と同じ、ホントに危機的状況なわけです。
こういう話を聞くと、
いつも思い出すのが、
昔、日本テレビ系で放映されていた
「週間ストーリーランド」
というアニメ番組です。
一般視聴者から投稿されたあらすじをアニメ化する手法で、
俳優・西村雅彦が司会をして、賞金を出していました。
・ 謎の老婆シリーズ
・ 名奉行・文さんシリーズ
・ サスペンス
・ ホラー
など、多種があり、
終盤、女警部神宮寺葉子のキーワードものになって
内容がチープになってゆきましたね。
この中で特に印象深いのが、
すさんだ未来の地球に、
宇宙の神様が
「願いを1つだけ叶える」
といって、
「地球の動物で1つだけ消すのを、
期限までに世界中の多数決で選択しろ」
という内容なのです。
(少しあやふやですが)
期限に、地球の動物が一同に集まり、
何の動物が消えるのか?
象かライオンか鳥か
などと思って見渡していると、
「みんなの願いは聞き入れた」
という神様の声の直後に、
突然人間が消えてしまうのです。
願いごとを考えていたのは人間だけではなく、
人間を含めた地球の全動物たちで、
人間以外の動物たちは、
「人間は身勝手な考えで自然を破壊し、
我々の住む場所を奪い、
このままでは地球が破壊されてしまう、
だから人間を消してほしい」
という願いが圧倒的多数だった、
という
人間から見る動物たち、動物たちから見る人間が
描かれていて、とても考えさせられる内容で、
環境破壊的な話が出るたびに、想い出してしまうのです。
前田食堂のある大宜味村の津波(つは)という集落名は、
「大宜味村史」によると、
実際に昔何度も津波が押し寄せたことに由来しているそうで、
海岸近くの集落が大被害に遭って山あいに集落ごと移転し、
近代になって、また海岸付近に集落を形成しつつ
あるのだそうです