2007年05月22日

バナナゾウムシとの悪戦苦闘「敵を知るA」

バナナツヤオサゾウムシの分布地は、
・ インド
・ パキスタン
・ バングラディシュ
・ ミャンマー
・ ベトナム
・ タイ
・ マレーシア
・ インドネシア
・ フィリピン
・ 台湾

などの東南アジア一帯ですが、
沖縄には、もともと彼はいなかったのです。

沖縄では、1972年(昭和47年)、本土復帰の3年前ですから、
今から38年前の米軍統治下に置かれている1969年(昭和44年)に、
沖縄本島中部のバナナ園で発見されたのが最初なのです。

彼がどうやって、
沖縄に密入国したのかは分からないのですが、
 ・ 台湾などからバナナと共に侵入した
 ・ 東南アジアからのバナナ子株(根塊)持込みで、
   中に潜り込んでいるために消毒から逃れて侵入した
 ・ 米軍経由

などの密入国ルートがあるわけです。

ベトナムの南北統一を巡る対立に、
ソビエト連邦と中国の共産主義勢力と
アメリカの資本主義との代理戦争となったのが
ベトナム戦争ですが、
1960〜1975年の15年間の中で、
米軍統治下にある沖縄は、
ベトナムまで空路で3時間という至近距離のため、
 ・ 沖縄の嘉手納基地からB-52爆撃機が出撃
 ・ 米軍の毒ガスを沖縄で製造、
   沖縄市の知花弾薬庫から毒ガス漏れ事故(1969年)
 ・ 牧港補給基地からベトナム向け物資を山積みし、
   米軍輸送船で前線へ送り出した
 ・ 米軍基地雇用者も車両整備などの技術者が
   ベトナムに派遣させられた

など、
沖縄は前進補給基地となって翻弄されました。

バナナツヤオサゾウムシが沖縄で最初に発見されたのは、
1969年(昭和44年)という、ベトナム戦争の最中で、
 ・ ソンミ村虐殺事件が1968年
 ・ ホー・チ・ミンが亡くなり、
   米軍劣勢になったのが1969年
 ・ 米軍兵士による基地雇用者のひき逃げで、
   抗議した群衆にMPが発砲したことで、
   コザで反米運動が起こったのが1970年

という、この頃のことですし、
バナナの葉に巻きついて樹液を吸うバナナセセリという蛾も、
 「ベトナム戦争中の1971年に
    米軍の物資に紛れ込んで沖縄に移入した」

といわれているのですから、
バナナツヤオサゾウムシだって
米軍経由という可能性は相当高いのではないでしょうか。

熱帯果樹写真館ブログより.jpg
      熱帯果樹写真館ブログより引用

バナナツヤオサゾウムシの成虫の体色は、
褐色と黒の2TIPEがいて、
ゾウムシ特有の鼻がとがっていて、
体は扁平型で、光沢があるのですが、
さらに、特長は、
 ・ 成虫は周年発生が見られ、4〜6月が多く、
   幼虫・蛹は3〜6月に多く夏期にはほぼ産卵停止になる
 ・ 年4回くらいの世代を繰り返す
 ・ 幼虫の発生は、3月から増加し5月にピークに達する、
   6〜9月は減少し10月から増加する
 ・ 幼虫や蛹(さなぎ)はバナナの仮茎内に生息するので
   薬剤防除は困難
 ・ 防除対象は成虫に限定される
 ・ 仮茎内でさなぎ化〜羽化して成虫になる
 ・ 雌雄の判別は成虫の外部形態では判別出来ない
 ・ 株下部よりも株上部や仮茎と葉柄の隙間に加害が多く、
   仮茎の皮部分より芯への加害が多い
 ・ 成虫は仮茎と葉柄の隙間あたりや
   仮茎の表面が傷ついて多湿になった部位や
   幼虫の食入跡に生息していることが多い
 ・ 卵〜羽化までの発育速度は摂氏25度で最も速く、
   発育期間は40.6日で、
   摂氏28度での発育期間は43.3日となり、
   幼虫に発育遅延が見られることから、ゾウムシは暑さに弱い
 ・ バナナが結実するまでに、
   中央から上の部分の仮茎を食い荒し、
   収穫する前に仮茎をしおらせる
 ・ 成虫の防除適期は、成虫は見られても、
   幼虫、蛹(さなぎ)の発生の少ない7〜11月が狙い目

というのが、
県の農業試験場で報告されているのですが、
彼が沖縄に密入国したのは、まだ40年足らずで、
テントウムシやカマキリのように、
外を出歩くのなら、簡単に出逢えて、
生態研究もしやすいのですが、
彼はバナナの中に潜む、
“引きこもりオタク”のような生活習慣であるために、
幼虫や成体がなかなか捕獲されずに、
彼の生態自体が解明されていないのです。

そのため、彼の効率的防除が行なわれていないので、
農業試験場でも、
「彼を発見したら、仮茎や根塊は焼却処分にしてね」
という、
時代錯誤のような後手後手の処置に甘んじていて、
みすみす彼の繁栄を支援する結果となっているわけです。


「バナナツヤオサゾウムシが見つかったバナナ畑は
                 全滅するさ〜ね〜」

という
太陽が月の影に入るという単なる天文現象の“日食”を、
「神が天罰を与える」
式に、
祭壇に供物を捧げ、
ヤギやブタを生贄(いけにえ)にして
祈祷(きとう)するような前時代的発想ではなく、
「彼とどう共生できるのか」
を考えなければならないのです。

実際、彼が出没する私のミニバナナ園でも、
最近開花したバナナが5本、
収穫出来た果房が3つありますから、
「彼の発見=全滅」
でもないようです。

バナナツヤオサゾウムシは、
「特に島バナナに加害する」
といわれていますが、
まず、彼が何を嫌がるのかをテストしましたので、
それは次回にお知らせします。


0521アグリハウスで売られていたハイビスカス.JPG
     アグリハウスで売られていたハイビスカス
posted by RIU at 00:12| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | バナナの病害虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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