2007年01月26日

今日は「ムーチー(鬼餅)」の日

毎年旧暦12月8日に行われる“ムーチー”は、
仏壇や火の神(ヒーヌカン)に“ムーチー”をお供えして、
家族の健康や無病息災を祈願する、
厄払いの行事のことをいいます。

今年も、近所から“ムーチー”のおすそ分けを頂戴しました。
ムーチー070126-1.jpg

“ムーチー”は、
餅米粉を水で練って、
ムーチーカーサー(月桃の葉)や
クバの葉に包んで蒸したお餅で、
沖縄の薬草・月桃(沖縄方言では「サンニン」)の葉には、
独特の香りがあり、
出来上がったムーチーの香りは、
ほのかに月桃独特の香りがして、
とても美味しいです。

月桃は沖縄の薬草で、
・ 防虫
・ 防腐
・ 防カビ
・ 消臭
・ 抗菌

の作用がありますから、
先人の知恵で、昔から
餅(ムーチー)を包んで保存するのに
使われてきた伝統があります。

サギムーチーといって、小型のムーチーを、
子供の歳の数だけ縄で結んで部屋や軒下に吊るして、
子供の成長を祝う家もありますが、
最近見かけなくなりましたね。


参考記事
2006年1月 7日 今日は“ムーチー”の日
2005年6月27日 沖縄といえば「月桃」

ムーチー070126-2.jpg

「ムーチーの日」の時期には
「ムーチービーサ」と呼ばれる
沖縄で一番の寒さに見舞われるといわれていますが、
今日の沖縄の午前10時の気温は19.4度もあり、
ポカポカ陽気の晴天になりました。

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2006年05月30日

今日は「四日の日(ユッカヌヒ―)」という沖縄版“こどもの日”

今日5月30日は旧暦5月4日にあたります。

沖縄では「四日の日(ユッカヌヒ―)」といって、
県内各地の漁港や漁村では、
航海安全や豊漁祈願で
爬竜船(はりゅうせん、ハーリー)競漕が行われます。

沖縄は旧暦を中心に行事が組まれていますから、
「こどもの日」も旧暦で祝う地域や家庭が多いのです。

那覇ハーリーは、
観光化されて5月のGWに行われていますが、
本来は旧暦の5月4日に行われるべき行事なのです。

子供たちの健やかな成長と無病息災を願い、
母親の手作り料理を仏前に供えます。

翌5日(旧暦)は、邪気払いと健康祈願として、
アマガシを作り菖蒲の箸を用いたり、
山羊料理や豚肉の料理を仏壇に供えたりします。

“夏の始まりに精力をつける”という意味合いでは、
「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣と
同じようなものですね。

posted by RIU at 11:40| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月16日

沖縄といえば「清明(シーミー)祭」

何かと年中行事の多い沖縄で、春のイベントといえば、
旧暦の3月の吉日を選んで行われる
「清明(シーミー)祭」(=祖先祭)です。

18世紀中ごろに中国から伝わった民衆儀式で、
中国の暦法にある二十四節季の一つ「清明」の季節に行われます。

門中(父系の血縁集団)墓の前で、
一族メンバーの各家族の出資や協力によって作った
料理や花などを墓前に供え先祖の霊を供養し、
先祖と料理を共食する慣習行事です。

供え物の餅を箸で返すことで、
「死者と生者が共に同じものを同じ場所で共食した」
と考えられています。

ほとんどが4月中に行われますが、
何日に行うかは一族が話し合って決めるので、
今日16日(日曜)と、
来週23日(日曜)に集中するはずです。

一般的には下記の要領で進行します。
1.家族や親族で、清明祭のスケジュールを決める。

2.メンバーの奥さんたちは、
  前日から重箱の料理の材料の買出しや
  調理の段取りなどをしなければなりませんから
  大変な忙しさになるのです。
  スーパーや市場も大混雑になり殺気立ちます。

3.当日は「墓」に集合で、
  沖縄人らしく、時間にはアバウトで集合してきます。
  集合した人は、墓掃除をします。

4.墓の前には広いスペースがあり、そこにゴザを敷き、
  その上に料理を詰めた重箱やお菓子、果物を
  ズラリと並べます。

5.代表者が線香をたき、一族は手を合わせ、
  「ウートートー」(神仏を拝むときの言葉)を唱えます。

6.重箱の料理の上には「ウチカビ」という
  黄色い紙が置かれてますが、
  これは“紙銭”のことで、
  あの世でもお金が必要と考えられていますから、
  “紙銭”を燃やすことであの世に送ったことになるのです。

7.先祖を拝んだ後は、お待ちかねの宴会タイムに入ります。
  墓に供えた重箱をみんなでつついて食べながら、
  それぞれの家族の近況報告会や自慢話が始まるのです。

8.数家族から数十、百近く集まるところもありますし、
  カラオケ機を持ち込むところまであります。
  まさに、大宴会なのです。

清明祭とは、一言でいえば「墓参り」のことですが、
本土の墓参りと違って、
先祖の墓の前で、一族が花見の宴会とかピクニックを
行うようなものなのです。


posted by RIU at 22:37| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月13日

沖縄といえば「十六日(ジュールクニチー)」

新暦や旧暦の正月元旦は生きている人の正月ですが、
沖縄では祖先の正月が旧暦の1月16日(ジュールクニチー)で、
今日がそれにあたります。

旧16日祭.jpg
旧暦の12月24日に
後生(ぐそう、「あの世」)へ帰って行った祖先の方々が、
再びこの世に戻ってくる日が旧暦の1月16日で、
それを墓前で迎える日で、
「後生(ぐそう、「あの世」)の正月」と言われています。

祖先供養のまつりのひとつで、
一族が墓参りをして、重箱料理や線香を供え、
ウチカビ(紙銭)を焼いて祖先を供養します。

これは戦後の風習で、
戦前までは墓に向かって左側にミーグンドゥールー(廻り燈籠)や、
コードゥールー(香燈籠)をつるし、
墓前で法事が営まれていたようです。

シーミー(清明祭(せいめいさい))と同じように、
墓前で三味線を弾いたり、飲食したりして、ピクニックの雰囲気です。

ジュールクニチーの頃は年間で最も寒い時期にあたるのですが、
寒風にさらされながらも墓の周辺はワイワイガヤガヤにぎやかなのです。

一族間の消息をたしかめ合ったり、
トゥシビー(生年祝い)の人にお祝儀(おしゅうぎ)を手渡したり、
お土産を交換しあったりします。

沖縄は行事が毎月のようにあって、大変なのです。

posted by RIU at 18:50| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

正月が2回ある「沖縄」

明日は旧暦の1月1日(=正月)です。

今日は「大晦日」になるわけです。

現在の旧暦は、厳密な太陽太陰暦ではなくて、
「天保暦のようなものなの」ですが、
月の満ち欠けと結びついている農業や漁業などのサイクルでは
旧暦は今でも大事なのですが、
沖縄の行事では何かと旧暦が重んじられています。

沖縄の正月は、2回目の旧正月の方が本格的なのです。

仏壇のある長男宅には夜遅くまで一族が入れ代わり立ち代わり訪ねて来て、
宴会が延々と続くのです。

酒好きには堪えられないさーね〜

こういう日に、交通検問でも行えば一網打尽なのですが、
肝心の警察でも開店休業状態で、多くの警察官が有給で休みます。

泥棒もこういう日を狙うべきでしょうか。

今日は、旧正月の準備でスーパーでも再度正月用品が並び、
レジも長だの行列で殺気立っていました。

旧正月の風習が今も強く残っている沖縄本島南部の糸満市では、
お店の多くが休みになります。

今年はたまたま日曜日に重なりましたが、平日だと学校も休みになるのです。

糸満漁港に停泊している漁船には
色鮮やかな大漁旗が掲げられて旧正月を祝うのです。

正月くわっちー(ごちそう)を作り、
お仏壇にウートートー(お祈り)して、正月を祝います。

こういう時期に、運悪く沖縄に来てしまった観光客の方々は
不運としか言えません。

沖縄観光は旧暦と密接な関係があることを、
旅行会社でも伝えてもらいたいですよね。


posted by RIU at 21:14| 沖縄 ☔| Comment(1) | TrackBack(1) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

今日は“ムーチー”の日

今日1月7日(土曜日)は
沖縄らしい行事・祭事としての『鬼餅(ムーチー)』の日です。

たまたま無病息災を願って“七草かゆ”を食べる行事と
重なってしまいましたが、
「ムーチーの日」は、旧暦の12月8日と決まっていますから、
毎年1月7日ではないのです。

ムーチー2.jpg
“ムーチー”は、餅米粉を水で練って、
ムーチーカーサー(月桃の葉)
クバの葉に包んで蒸したお餅のことを言います。

鬼や厄除けのため、
かまどやトートーメー(仏壇)、神棚などに供えて、
家族の健康を祈る習わしです。

「ムーチーの日」の時期には「ムーチービーサ」と呼ばれる
沖縄で一番の寒さに見舞われるといわれていますが、
その通りに今日は今年一番の寒さになりました。

朝の8時半現在で気温は13度で、
平年に比べると4度くらい低いです。

『鬼餅(ムーチー)』に「鬼」と書くのは、
沖縄の民話の中に出てくる
のですが、
鬼になってしまった兄を成敗しようと妹が
鉄を入れた餅をつくり鬼の兄に食べさせ目的を遂げたという
由来話があるからなんですね。

鬼(厄)を払うありがたいお餅なのです。

醤油か黒糖をつけて食べても美味しいです。


赤ちゃんが産まれた家庭では
「初ムーチー」を親戚や近所などに配ったりします。
ムーチー1.jpg
「子供の歳の数だけ紐で結んで天井から吊るす」
という“習わし”もありますが、
県内各地域によっても“習わし”は違うようです。


本部町の桜.jpg
“寒い”沖縄でも1月21日からは
本島北部の本部半島本部町の八重岳(標高453m)では
寒緋桜(かんひざくら)が開花するのに伴って、
日本一早い桜祭りが始まります(2月12日まで)。


posted by RIU at 08:50| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(2) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月01日

沖縄の正月

色々な行事、祭事が「旧暦」で行われる沖縄ですから、
戦前までの沖縄の正月は「旧暦」で祝う家がほとんどで、
新暦の正月を“大和(ヤマト)正月”と呼んで区別していたようです。

戦後も「新暦」、「旧暦」のどっちつかずの状態が続いて、
行政主導による「新正(新暦の正月)1本化」運動で、
今では少し正月らしくなってきました。

「初詣」や「お年玉」もあって、ヤマトと変わりありませんが、
実際は“連休”のような認識でしょうか。

沖縄では、どんなに小さな集落でも、
そこの地域を守る神様が祀られている『御嶽(ウタキ)』という
神聖な場所があり、
本来はその地域の住民全員が、
元旦当日の早朝に詣でることになっているのですが、
最近では代表者(地区の区長=長老)だけが
“住民の代表”として詣でるようです。

沖縄の本当の正月である「旧正月」は、
今年は1月29日(日曜日)です。

たまたま日曜日に当たりましたが、
平日であっても多くの店が休んだり、
民間・公務員を問わず、多くの人が休みます。

クリスマス〜正月と、
あっという間に終わって気が抜けてしまうヤマトの正月(新正)ですが、
沖縄では大切な行事・祭事がスタートするのが
正月(旧正月)ということなのです。

posted by RIU at 16:24| 沖縄 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

サトウキビの収穫が始まりました!

サトウキビの花が咲き始めると、冬を告げると同時に、
サトウキビの収穫シーズンの始まりでもあります。
キビ収穫1.jpg
この時期から3月まで、
観光客の方がレンタカーを運転していると、
道路に“ヘビ”のようなものが落ちているのを
見たことがあると思います。

これはハブではなくて、
サトウキビを運搬中のトラックから落ちたキビなんですね。

キビ収穫2.jpg
サトウキビ
サトウキビの正式名称は甘蔗(「かんしゃ」、俗には「かんしょ」)
と言います。

トウモロコシに似たイネ科の多年性植物で、
高温多湿を好み、年間平均気温が20度以上の土地でよく育ちます。

沖縄本島の那覇市の平均気温は24度ですから、
沖縄は条件にかなっている訳です。

東南アジアのニューギニアが原産で、
インドを経て世界に広まったと伝えられています。

世界最大の生産国はブラジルで、
その他熱帯、亜熱帯地域で栽培されています。

サトウキビというと、開発途上国や熱帯の国々で
生産されているように思いますが、日本でも生産されているのです。

日本には奈良時代、鑑真が大陸からその製法を伝えたと言われ、
17世紀から四国や紀伊半島など温暖な地域で栽培が始まりました。

しかし開国によるイギリス資本の流入でそのほとんどは駆逐され、
現在では沖縄・鹿児島で栽培されています。

なお、砂糖の主要な原料としては、
他に冷涼な地域で育つ「てん菜」があり、
これは北海道で栽培されています。

キビ収穫3.jpg
「分蜜糖」と「含蜜糖」
・ サトウキビから作られる砂糖は「甘蔗糖」と呼ばれ、
  「分蜜糖」と「含蜜糖」の2種類があります。
  「分蜜糖」は製糖の最後の段階で「(廃)糖蜜」を分離したもので
  黄色〜茶褐色をしていて、
  白糖やグラニュー糖など「精製糖」の「原料糖(粗糖)」
  として使われます。
  沖縄の製糖工場で加工された>「分蜜糖」を
  本土の精製糖工場に送って「砂糖」になります。

・ 「含蜜糖」はその名の通り糖蜜を分離させません。
  これは「黒糖」と言った方が分かりやすいでしょう。

・  沖縄の製糖業は大規模化に伴ない
   「分蜜糖」の製造が主流となっています。

・ 「含蜜糖(=黒糖)」は主に規模の小さい離島で生産されており、
  沖縄で作られる甘蔗糖製造量の7%程度に過ぎません。


キビの植付け
キビの植付けには
・「夏植え」
・「春植え」
・「株出し」
の3種類があります。

「夏植え」、「春植え」は“挿し木植え”という方法で、
キビの枝を挿すことで栽培します。

「夏植え」は1年半、「春植え」は1年かけて育てて、
いずれも春先に収穫します。

「株出し」は収穫の後の株から発芽させ育てる方法です。

キビ収穫4.jpg
収穫方法
キビは気温が低下することで、
成長が緩やかになり茎中の糖分が増加します。

キビ収穫は毎年12月、製糖工場の操業開始に合わせて始まり、
操業の終わる翌3月下旬頃まで続きます。

豊見城市の翔南製糖では、
来年の3月17・18日頃まで稼動するようです。

刈り取った後放置しておくと、糖分が変化して品質が低下するので、
製糖工場の操業状態に合わせて、
収穫後なるべく早く製糖できるように計画的に収穫します。

大規模農場以外では、人力による刈入れが行われています。

「倒し鍬(すき)」でキビの根元から刈り倒し、
「脱葉鎌」で梢頭部(糖度の低いキビの頂上の部分)を切りとり、
さらに葉や根など茎以外の全て取り除き、茎を束ねて搬出します。

「ハーベスタ」という機械導入は
沖縄の農家の経営規模や農地面積が小さく、
また収穫時期に雨が多いことから、なかなか導入が困難で、
いまだに人力に頼らざるを得ないのです。

また機械収穫だと、梢頭部をきちんと取り除けず、
精糖の品質が下がるという技術的な側面での難点もあります。

稍南製糖.jpg
搬入
製糖工場に搬入されたサトウキビは、
「品質検査」と「重量測定」が行われます。

品質の良し悪しは、
サトウキビを搾った汁(搾汁液)の中からとれる砂糖の割合や
製造のし易さで決まります。

具体的な調査項目は
・ ブリックス
・ 糖度(13〜14度)
・ 還元糖分(砂糖が分解された成分。少ない方が良い)
・ 繊維分(13%程度。低い方が良い)
です。


「ブリックス」と「糖度」
「ブリックス」は搾汁液の中に溶けていて、
乾燥させると固まる物質(可溶性固形分)の割合を指します。

糖類の他に灰分やカルシウム等の栄養成分も含まれています。

サトウキビのブリックスは20%程度です(ミカンは10%程度)。

キビのブリックスの80〜90%が砂糖分で、
この砂糖分の割合が「糖度」です。


「含蜜糖」の製糖過程
さとうきびは品質検査の後細かく砕かれます。

圧搾機で絞りとられて
・「圧搾汁」と
「バガス」
に分離されます。

「バガス」とはサトウキビの絞りかすを指し、
サトウキビの重量の約25%に相当します。

製糖工場のボイラーの燃料として燃やして使われ、
製糖工場で必要な電力を十分賄えるそうですが、
「バガス」からパルプが作られたり、
新燃料を創り出す研究開発が行われたり、
農業の肥料としても微生物を活性化させる“糖蜜”も含んでいますから、
最高の肥料にもなるので、
燃やしてしまうのはもったいないですよね。

「圧搾汁」はわずかな石灰を加えて加熱することで
余分な成分が沈殿分離します。

ここで得られた「上澄み液」に、
沈殿した成分の「濾過液」を加えたものを蒸気で減圧することによって
低温で煮詰めて濃縮(最後は常圧・高温)し、
出来あがった過飽和状態の溶液を攪拌しながら冷却することで結晶化して、
黒糖が出来あがるのです。

文章では難しそうですけど、やってみると単純作業なのですが。

黒糖は30kgずつ箱詰めされ、品質検査を経て包装、出荷されます。

こうして出来あがった黒糖は
もとのキビの重量の約15%程度(=「歩留」)となります。

沈殿成分で濾過後に残ったものは「フィルターケーキ」と呼ばれて、
発酵堆肥にしてサトウキビ畑に戻されます。

製糖工場の煙突からは甘い香りが漂い、
蒸気の「ボ〜ッ」という音が鳴り響きます。

稍南製糖2.jpg
沖縄農家の7割、沖縄の耕作地の5割でキビ生産をしている
さとうきび産業をめぐっては、
政府・農水省が昨年
「砂糖及び甘味資源作物政策の基本方針」
を発表しました。

最低生産者価格制度を廃止し
「市場の需給事情を反映した取引価格が形成される制度に移行する」
ことを打ち出したのです。

同時に国産糖の製造業者への政策支援の前提として、
事業者ごとにコスト削減目標の設定、
成果の検証システムを求めているのですが、
キビ価格の買上価格が安すぎて(=海外の砂糖が安すぎるから)
キビ生産農家は、大規模生産者以外は、
大きな採算割れにあえいでいるのが実情なのです。

沖縄県内では、サトウキビを栽培している農家数は約1万8千戸で、
全農家数の約7割を占めています。

栽培面積は約2万ヘクタールで全耕地面積の約5割を占めるなど、
沖縄農業の主役であり続けています。


沖縄本島の製糖工場は2工場、離島に15工場
沖縄県内には製糖工場は17工場
(ざらめ糖などの原料をつくる分蜜糖工場が10工場、
 黒砂糖をつくる含蜜糖工場が7工場)
あり、
沖縄本島の2工場以外の15工場は離島に立地しています。

製糖会ミで順番待ちのトラック1.jpg
サトウキビの抱える問題
沖縄の農業を支える基幹作物として栽培されてきたサトウキビも、
近年では厳しい状況に立たされています。

政府は砂糖の自給率維持(現在3割)と価格安定のため、
「砂糖の価格安定等に関する法律(糖安法)」

「甘味資源特別措置法」
によって保護し、
国産品に対しては価格支持、輸入品に対しては
関税をかけて価格を調整してきました。

しかし、農産物の貿易自由化の流れ
(1993年のガット・ウルグアイラウンド合意など)により
輸入粗糖(砂糖の原料)の関税は
1キロあたり1994年で41円、1997年には20円、
現在は10円と大幅に引下げられています。

さらに1999年、
「甘味資源に関する新たな政策大綱」
が政府決定され、
粗糖については市場原理に基づく入札制度が導入されることになり
、また価格引下げを目指して合理化・低コスト化を要求されているのです。

製糖工場で順番待ちのトラック2.jpg
キビ価格
サトウキビ買上代として農家に支払われる金額は
「甘味資源特別措置法」
に基づいて政府により毎年決められます。

沖縄「復帰」以降、価格は品質にかかわらず一律であり、
また少しずつ上昇してきましたが、
1984年以降は据置き、
1989年以降は引下げられる年も出てきました。

また、1994年以降はキビの糖度によって価格差をつける
「品質取引」が導入されました。

現在の農家手取り価格は、
標準的な品質の場合1トンあたり2万470円となっています。

1kg当たり20.5円です。

さとうきびを1トン生産するのには、
約35坪の農地が必要になります。
35坪×3.30579u=115.7u

ヒューザーの販売していた「使い捨て殺人マンション」の
1部屋が「100u」ですから、
だいたいこの広さをイメージして戴けたら分かりやすいと思います

1トン当たり2万470円を35坪で生産しますから、
2万470円÷35坪=1坪当たり585円の生産性しかなく、
これでは生産者は食べてゆけません。

仮に沖縄の平均的な農家の農地3,000坪でサトウキビを生産しても、
3,000坪×1坪当たり585円=175万5千円
でしかないのですから。

製糖工場で順番を待つトラック3.jpg
砂糖の価格
砂糖の原料として使われる「分蜜糖」も
「砂糖の価格安定等に関する法律(糖安法)」
により、
政府の決めた価格で農畜産業振興事業団によって、
製糖工場から買い上げられます。

1999年の沖縄産分蜜糖はトン当たり26万2,605円で、
近年引下げられてきていますが、
それでも外国産のものに比べて7倍以上もの価格差となっています。

この価格差は輸入品に関税と共にかけられる調整金を
運用することで補われています。

「含蜜糖(=黒糖)」は糖安法の対象外で自由競争下にあります。

「沖縄振興開発特別措置法」により
、製造コストと販売価格の差額が
「価格差補給金」として補償されています。

含蜜糖工場が離島に集中
(波照間の他、伊平屋島、粟国島、多良間島、
 小浜島、西表島、与那国島の7工場)しているため、
離島経済の振興の意味合いで補償金が出されていて
、毎年約11億円が国・県から支払われていますが、
これも先々「撤廃」の方向で検討されているようです。

山積みのキビ.jpg
労働力不足とキビ離れ
1970年代に入った頃からキビ栽培は
高齢化・過疎化によって労働力が不足し始めました。

一方で1985年以降きび価格の据置き、値下げにより
相対的に収益性や賃金が低下したことで、
さらにキビ離れが進み、
若者が後を継がずに高齢化が進んだり、
肉牛や花卉、野菜などより高収益の農業に転換される畑も出てきました。

その結果製糖工場では、
原料となるキビの不足により経営が厳しくなっています。

沖縄本島では製糖会社の統廃合が進み現在では2社体制ですが、
なお経営は悪化、赤字を抱えている状況です。

労働力不足への対策としては、
株出しの増加により植付の労働力を減らすという方法がとられています。

しかし地力の低下などの問題もあり、根本的な解決策ではありません。

そして何よりもキビ栽培にかかる労働力の半分は収穫作業が占めています。

機械化は1970年代より試みられ、一部で導入されていますが、
コストと品質の面で困難を伴うためなかなか普及していません。

沖縄本島では法人化による大規模化・機械化の試みが始まりました。

「省力化・低コスト化」と「生産性のある買上価格」は
現在のキビ産業の最大の課題となっているのです。

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2005年09月19日

沖縄といえば「オトーリ」!

宮古島独特の酒の飲み方「オトーリ」。

本島の人でも「オトーリ」と聞いただけで、ギクッとしてしまう
その特殊な飲酒方法は、その功罪が常に議論されます。

宮古では
「島の伝統の由緒ある正しい楽しい酒の会」
ということになっています。

「オトーリ」とは、一人ずつ口上を述べながら、
話が終わると一気に杯を飲み干し、この杯を次の人に回し、
次の人が口上を述べ、話が終わると一気に杯を空ける、
これを参加者全員が時計回りで次々と、
しかも延々とエンドレスに酒を回し飲みする宮古独特の酒の飲み方で、
座の心を一つにして、人間関係の絆を深くし、
信頼関係を強くする効果がありますが、
酒量が必然的に増えるため、
酔いつぶれたり身体を壊すなどの影響も指摘されています。


大昔、酒は神事や祝いの場で飲まれる貴重なものでした。

楽しみも苦しみも分かち合う村社会で、
全員が平等に杯が行き渡るようにした、『平等の理念』こそが
「オトーリ」の始まりと言われています。

今年の7月には、宮古の人と観光客が酒を飲み、
伝統の「オトーリ」に関して口論となって、
ついには宮古の人が
「オトーリの回し方が悪い」
と観光客を殴りつけ、警察沙汰になっています。

宮古に行ったときは、気安く「オトーリ」はしないように注意して下さいね。


「オトーリ」を悪習と思った宮古の議員たちは、
「オトーリ禁止令を作ろう」
と議論しながら「オトーリ」をやっていたという逸話もあるようですexclamation&question
posted by RIU at 23:16| 沖縄 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月18日

沖縄といえば「フチャギ」!

050918フチャギ.jpg

フチャギ
「フチャギ」とは、餅にアズキをまぶして作った供物の名前で、
沖縄の“おはぎ”のようなものです。

漢字で書くと「吹上餅(フチャギムチ)」です。

秋分に最も近い満月の出る旧暦8月15日夜のことを「十五夜」と呼び、
その日は豊作への感謝の祈願の祭りで、
沖縄では昔から畑の作物を仏壇と火の神に供える風習があります。

小豆は「魔除け」になると言われています。


材料(17個分)は、
・ 餅粉 300グラム
・ 水  1.5カップ
・ アズキ 1カップ
(水に約5時間漬けてから、たっぷりの水を加え、
煮立ったらさらに1〜2分煮てゆで汁を捨手多状態) 
・ 塩  少量
・ 月桃(サンニン)の葉、または芭蕉の葉 
  出来上がったフチャギを敷くため

餅粉を練って作るのですが、そういえば沖縄の餅は全て餅粉です。

本土のように杵臼で餅つきをする習慣は沖縄にはありません。

餅米を蒸してから作る餅もないはずです。

長円形に整形した餅の周りに茹でた甘くない小豆をまぶします。

甘くはないので、甘党の人は「きな粉」をまぶして食べています。

旧暦12月8日の鬼餅行事で作る餅を
「ムーチー」や「カーサームーチー」と言いますが、
月桃(サンニン)や、びろう(クバ)のカーサ(葉)で包み蒸すので
「カーサー」を付ける人も多いです。

この「ムーチー」や「フチャギ」には、
月桃(サンニン)の葉を使いますが、
月桃には殺菌作用や防虫作用があるためなんです。
昔の人の知恵はすごいですね。
posted by RIU at 23:11| 沖縄 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月17日

沖縄といえば「旧盆」!

旧盆のご馳走.jpg

“旧盆”という大イベント!
沖縄では信仰と暮らしが密接に結び付いています。

14世紀半ばすぎに中国(明)から仏教が伝えられて以来、
儒教・道教・神社神道・キリスト教などの宗教が、
相次いで沖縄に伝えられましたが、
それらは沖縄古来の民間信仰や習俗などと相まって、
良い意味でチャンプルー化され、
祖先崇拝と御嶽(ウタキ)信仰を柱とする沖縄の信仰が確立され、
民衆の暮らしの中に根付きました。

沖縄の正月は、糸満などの一部地域を除いて、
最近はほとんどが旧暦でなく新暦で行うようになりつつありますが、
沖縄の盆の儀式は本土の8月13〜15日と違い旧暦で執り行います。

沖縄では正月よりもお盆が大事なのです。

お盆のコンセプトとしては、本土のお盆と同様に
  「先祖様があの世から帰ってきて、この世の人と交流を持ち、
                    最終日にはあの世に帰っていく」

ことです。


沖縄のお盆は、旧暦の7月13日〜15日と決まっています。

今年は新暦で8月17日〜19日が旧盆となります。

この時期は、個人商店や家族経営の会社などは臨時休業しますし、
那覇空港では県外にいるウチナーンチュが一斉に帰郷してくるため、
帰省ラッシュを迎えます。

沖縄観光には、この旧盆の時期と台風時期は避ける方が賢明でしょうexclamation

沖縄では盆の初日を「ウンケー」、
最終日を「ウークイ」と言います。

昨日は、ウンケーの前日にあたるため、
市場やスーパーなどでは、
精霊の杖(つえ)の“役目”となるサトウキビや
田芋、もち、豚肉、果実などの供え物を求める人たちが殺到し、
ふだんの3〜10倍の人手で大混雑になり、道路も大渋滞しました。

沖縄の人は“行列”を好まないので、
レジでの長い列や駐車場の場所取り、
スーパーの出入りなど、殺気立って大変でした。

一部の販売店では、この時期わざと強気に高値にするところがあります。
バチ当たりですよねexclamation

「迎え(ウンケー)」から「送り(ウークイ)」までの3日間、
グショー(あの世)から帰ってこられる先祖・身内の為に、
それは盛大な用意をします。

本土の盆では「しめやかに」先祖の魂を迎え送るイメージですが、
沖縄のお盆は「しめやか」というより「賑やか」です。

グショーから帰ってくる先祖達をどうやってもてなそうか、
とばかりの入れ込み方・盛り上がり方です。


ウンケー
・ 旧暦7月13日(今年は新暦8月17日の今日)
・ 旧盆初日
・ 精霊迎え
・ 仏壇には果物、料理、ウンケー ジューシー
  (炊き込みご飯。豚肉やかまぼこを小さく切り、
     必ずしょうがの葉をきざんで入れる)等を供える
・ 墓参りをする
・ 夕方頃、家の前で火をたいて祖先を迎える(=ウンケー)
・ 「ウサンデー(=供え物を仏壇から下げる)」して夕食がもたれます

ナカヌヒー
・ 旧暦7月14日(今年は新暦8月18日の明日)
・ 旧盆の中日
・ 仏壇には三度の家族の食事と同様に供えたり、
  朝食は特別に無く朝昼をいっしょにしたり、
  おやつにダーグ(だんご)を供える
・ 親戚回りをするので、道路も集落内も大混雑になる

ウークイ
・ 旧暦7月15日(今年は新暦8月19日の明後日)
・ 旧盆最終日
・ 祖先をあの世にお送りする日
・ 朝昼食は家族の食事と同じものを供えたり、
  おやつにはさつま芋やスクガラスなどを供えたりで特別な料理は出さない
・ 夜に仏壇に焼香した後、門または玄関で、
  ウチカビ(「紙銭」というあの世にもっていくお金)を焼き、
  焼香の燃え残りやお供え物の一部を器に入れて外へ出し、
  そこで祖先を見送るウークイをする
  (地獄の沙汰もカネ次第exclamation&question
  サトウキビを杖代わりに置く
  (サトウキビの節に子孫繁栄を願って供える、という意味もある)
・ 夜には最後の晩餐?を家族そろって行なう
・ 各家庭や地域によって違いはあるものの、
  一般的には、画像のような豚肉煮しめ、天ぷら、昆布、ごぼう、
  カマボコなどの大皿(ハーチ)盛りにしたり、重詰めにする
・ 他の日に仕事やいろいろな事情で参加できなかった人も、
  ウークイだけは先祖の仏壇の前に集まり、
  

旧盆の間、本島では盆の芸能として
町中をその地区の青年会のエイサー隊が踊りながら練り歩きます。
エイサーの他に「村芝居」や「獅子舞」が行われる地域もあります。

宮古島市の上野地区では綱引きが行われるそうです。

エイサーは
「旧盆に帰ってきた先祖を供養してウークイの日に送り出す」
という意味合い
なので、県内あちこちで行われます。

最近は、沖縄ブームでエイサー花盛りなのは良いことなのですが、
ウンケーの日にもあちこちでミチジュネーをやっているのを見かけます。

せっかくウンケーしたファーフジ(先祖)を迎え入れた途端に
「帰れ、帰れ」と追い出そうとしていることになってしまいます。

旧盆のエイサーはウークイの日に行っていたはずです。

旧盆の3日間だけは、エイサー本来の意味を考え、
先祖が残してくれた文化を正しく伝承してゆくべきではないでしょうか。


信心深い人は、
旧暦の7月7日の七夕に先祖の墓参りと墓掃除をして、
先祖の霊に旧盆の案内(お知らせ)をします。

県内の小学校では、エイサーをやらされるのですが、
これは単に、沖縄の「文化・伝統」というだけではなくて、
『沖縄』という土地での、先祖を敬う“風習”を大切にして
伝承させようとしているからなのです。


以下も、参考までにご覧下さい。

ユタ(巫女)
ユタとは祭司、お告げ、占いなどを行う巫者での事です。

青森県の恐山の「いたこ」のような一種の呪術師とも言えます。

病気や家庭内の不幸、旅行や受験など、
沖縄の女性はなにかにつけてユタのところに出掛け、
吉凶や不幸の原因を占ってもらう習慣があり
「女のユタ買い」という言葉があるくらいです。

ユタは神霊から授けられた霊能力を持った人が修行を積んで、
初めてユタとして認められ、派閥や階級もあるようです。

インチキ・ユタも多いので、注意が必要ですが、
沖縄ではユタへの表立っての批判は、タブー視されていて、
トラブルが表面化しません。

御嶽(ウタキ)
古くからある集落には、かならず御嶽があります。

御嶽とは神々が下って来る、といわれる神聖な場所であり、
集落の森や小高い丘、岬などに必ずあります。

御嶽の形態は自然なものなので、
御神体や建造物が無いのが本来の形ですが、
近年ではコンクリート製の拝所を作るところが増えてきました。

線香をあげ、塩や花米などの供え物をして
様々な祈願をする信仰深い人がまだまだ多いです。

御嶽には女性しか立ち入る事ができず、
男子が立ち入って神罰が下ったという言い伝えがあります。

また、御嶽の木を折ったり、石を持ちかえったりすることは厳しく禁じられています。

先祖崇拝
沖縄では「先祖崇拝」が広く浸透しており
『トートーメー』と呼ばれる「位牌」そのものが崇拝の対象となっています。

「先祖崇拝」の気持ちから「お盆」は沖縄の年中行事では重要視され、
遠く本土などへ働きに行っている者は
「正月には帰らなくともお盆には帰る」
という者が少なくありません。

『トートーメー』は、基本的に長男が継ぎますが、
長男がいない場合は血縁の男子が継ぎます。

場合によっては継承者をたどって、ブラジルに移民した一家に行き着いた、
などという例もあるそうです。

父系の男子しか継ぐことができず、
『トートーメー』を受け継ぐ事は土地財産も受け継ぐ事にもなります。

これが「男女差別」であるという議論もあり、
財産問題が絡むため問題を一層複雑にしています。
posted by RIU at 10:22| 沖縄 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 沖縄といえば「行事」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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